秋の収穫が終わると、畑仕事が一段落したような気持ちになる。でも実は、冬こそが翌年の収穫を左右する一番大事な時期だということを、3年やってきてわかってきた。冬に手を抜くと、来年一年が台無しになる。
冬の畑は「準備の季節」
冬は育てられる野菜の種類が減るので、何もしなくていいように思われがちだ。でも実際は違う。春から秋にかけて野菜を育て続けた土は、栄養分を使い切って疲れた状態になっている。この疲れた土を冬の間に回復させておかないと、翌年の春に野菜がうまく育たない。
冬の畑仕事は「収穫」より「準備」だ。目に見えた成果がすぐに出るわけではないが、ここで丁寧にやっておくかどうかで、来年の出来が変わる。
まず土の再生から始める
冬に最初にやることは、土の再生だ。秋の収穫が終わったら、古い根っこや枯れた茎を取り除き、土を鍬で耕す。表面だけでなく、20〜30センチくらいの深さまでしっかり掘り起こす。
そこに堆肥と、ホームセンターで売っている土の再生材を混ぜていく。土の再生材には、微生物を増やして土を元気にする成分が入っている。化学肥料は使わず、天然のものを選んでいる。
この作業は体力がいる。重い鍬を何度も振り下ろして、土をかき混ぜていくのは結構な重労働だ。一日でやろうとすると腰に来るので、一日1時間くらいを目安に、毎日少しずつコツコツと進めるようにしている。焦らずやるのが続けるコツだ。


草の堆肥が冬に活躍する
冬は寒くなるので、雑草がほとんど生えなくなる。春から秋にかけて続いた草との格闘が、冬だけは一休みになる。これは助かる。
ただ、夏の間に刈り続けた草は捨てていない。草を積み重ねて堆肥を作っておいた。草の堆肥は微生物が分解してくれることで、栄養豊富な有機物になる。これを冬の土作りに使う。
自分で作った草の堆肥を畑に戻すと、何となく循環している感じがして気持ちいい。刈った草が翌年の野菜の栄養になる。無駄がない。
冬に植えられる野菜もある
土を耕しながら、冬〜春にかけて収穫できる野菜も植えていく。僕が冬に植えるのはジャガイモと玉ねぎだ。
玉ねぎは秋に苗を植えて、春に収穫する。冬の間はゆっくり成長し、寒さにも比較的強い。ジャガイモも冬から早春にかけて植えると、梅雨前に収穫できる。冬の畑に何も植えないのではなく、次の季節に向けて仕込んでおく感覚だ。


冬野菜の種類と特徴
冬でも育てられる野菜はいくつかある。ほうれん草、小松菜、大根、白菜、ブロッコリー、カブなどだ。寒さに強い品種を選べば、冬でもちゃんと育つ。むしろ冬野菜は甘みが増すものが多く、霜が降りた後の大根や白菜は特においしくなる。
僕は玉ねぎとジャガイモをメインにしているが、小松菜を少し育てたこともある。小松菜は寒くても比較的早く育つので、冬の青菜として重宝した。育てる量や面積に合わせて、冬に何を植えるか考えるのも楽しみのひとつだ。
土の状態を見て判断することが増えた
冬の土作りを毎年繰り返すうちに、土の状態を見て判断できることが少しずつ増えてきた。耕してみたとき、土がふんわりとやわらかければ状態がいい。固くてかたまりがあるときは、有機物が少ない証拠で、堆肥をもっと入れた方がいい。
土の色も参考にしている。黒っぽい色の土は有機物が多く、ミミズがいれば土が生きているサインだ。最初の頃は土の状態なんてよくわからなかったが、毎年触っていると少しずつ感覚がついてくる。
ミミズが増えてきたのがうれしかった
土を耕していると、ミミズが出てくることがある。最初の年はほとんど見かけなかったが、堆肥を混ぜた土作りを続けるうちに、少しずつミミズが増えてきた。
ミミズは土を耕し、通気性を良くしてくれる。ミミズのふんも肥料になる。見た目は苦手という人もいるが、ミミズが多い土は良い土の証拠だと学んだ。増えているのを見ると、土が少しずつ良くなっているんだとうれしくなる。
一日1時間、コツコツが大事
冬の畑仕事は、地味で成果がすぐに見えにくい。収穫の楽しみもないし、やっているそばから達成感があるわけではない。それでも続けるのは、来年の春の収穫につながるとわかっているからだ。
一日1時間くらい、無理せず毎日コツコツ続けるのが長続きのコツだと思っている。寒い日は外に出るのが億劫だが、一歩踏み出して畑に出ると、体が温まってくる。やってよかったと思える。
春の芽吹きは、冬の準備があってこそ来る。三重の桑名の裏庭の畑で、今年の冬も土と向き合いながら来年に向けた準備を続けている。家庭菜園を始めようとしている人には、冬こそ大事な季節だということを最初に知っておいてほしいと思う。収穫だけが家庭菜園ではない。冬の地道な作業が、春の豊かな収穫につながっている。土に手をかけた分だけ、野菜が応えてくれると実感している。


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