家庭菜園を続けていると、野菜作りは自分の努力だけではどうにもならないことがあると実感する。その代表が天候だ。種をまく時期を考え、土を整え、肥料や水やりにも気を配っていても、台風や猛暑、長雨が続けば、それまで順調だった野菜が数日で弱ってしまうことがある。
特に困ったのは、夏の暑さが厳しかった年だ。例年なら朝にたっぷり水を与えておけば夕方まで元気だったナスやキュウリが、昼過ぎには葉をぐったりと下げていた。土の表面もすぐに乾き、プランターでは朝夕の2回水を与えなければ追いつかないほどだった。
最初のうちは「暑いのだから水を多く与えればいい」と単純に考えていた。しかし、水の量を増やしすぎると根が傷んだり、蒸れたりすることがある。そこで、敷きわらや刈った草を株元に敷き、土から水分が蒸発するのを少しでも防ぐようにした。プランターについては、日中ずっと強い西日が当たる場所から、午後には日陰になる場所へ移動させた。

猛暑以上に慌てたのが台風だ。ある年、夏野菜がちょうど収穫の最盛期を迎えたころに強い台風が接近した。トマトは支柱の高さを超えるほど成長し、キュウリもネットいっぱいにつるを伸ばしていた。「せっかくここまで育ったのだから大丈夫だろう」と思いたいところだったが、天気予報では強風が予想されていた。
前日に支柱を追加し、ひもで補強した。収穫できそうなトマトやナス、ピーマンは少し早めでも取り、飛ばされそうな道具や空の鉢も片付けた。それでも翌朝畑を見ると、キュウリのネットが大きく傾き、トマトの枝が何本か折れていた。ナスも強風で葉が傷み、せっかく実った小さな実が地面に落ちていた。
野菜そのものだけでなく、支柱やネットまで被害を受けたことは大きな反省点だった。それ以来、台風が来ると分かってから対策するのではなく、最初から風に耐えられるように支柱をしっかり組むようになった。また、大きく育ちすぎた枝は整理し、風をまともに受けないようにすることも意識している。 一番被害が大きかったのは2年前の夏の台風だった。畑が水びたしになり、まるで池のようになってしまった。枝は折れ、植木鉢は畑の端の柵まで飛んでいき、後片付けにかなり時間がかかった。シート類も台風でどこかへ飛んでいってしまい、結局見つからなかった。 台風が去ったあと、妻と2人でしょんぼりして落ち込んでいたのを覚えている。妻はどうしようと狼狽えていた。私は妻に「何とかするよ」と言い、水が引くのを待って、散らばった植木鉢を戻し、倒れた枝を片づけていった。土が柔らかくなりすぎて、あちこちに足跡ができていた。土をならそうと頑張ったが、どうしても凸凹になり、うまくいかない。結局、新しく土を買ってきてならし、平らにした。作業中は滑って転んだり、転んで枝を折ったりして、かなり苦労した。そんなこんなで一週間ほどかかった。 天災だけはどうしようもない。しかし、せっかく実りかけた野菜がだめになるのは、悔しいし、悲しい。対策はこれから、ユーチューブなどでいろいろ調べていくつもりだが、大きな台風が来るとどうしようもないのかなと思ってしまうこともある。これからの課題として、いろいろ考えていこうと思う。 それ以来、台風が来る前には植木鉢を端に置いてロープで縛り、枝には支柱をするようにしている。今も土壌改良を続けて水はけをよくしようとしているが、まだあまり改善できていない。

反対に、雨が降らなさすぎる猛暑とは違った意味で困るのが長雨だ。何日も雨が続いた年には、畑の土がなかなか乾かず、野菜の生育が目に見えて悪くなった。特にトマトは雨の影響を受けやすく、実が割れてしまったことがある。収穫直前の赤くなったトマトに大きな亀裂が入っているのを見つけたときは、本当に残念だった。
長雨では病気にも注意が必要だ。葉がいつまでも湿った状態になるため、葉に斑点が出たり、下葉から傷んだりすることがある。傷んだ葉は早めに取り除き、株の間の風通しをよくするようにした。雨がやんだからといって安心せず、株の状態を細かく確認することが大切だと学んだ。


家庭菜園を始めたころは、「種をまいて、水と肥料を与えれば野菜は育つ」と考えていた部分があった。しかし実際には、その年の気温、雨の量、風の強さなどによって状況は大きく変わる。同じ場所で同じ野菜を育てても、前年と同じ方法が通用するとは限らない。
だからこそ、最近は天気予報を見ることも家庭菜園の作業の一つになった。「明日は大雨だから今日は収穫しておこう」「来週は気温が上がるから敷きわらを増やそう」と、少し先を考えて準備するようになっている。
天候による失敗は悔しいものだが、その経験は翌年の野菜作りに確実に生きている。自然を完全にコントロールすることはできない。それでも、被害を少なくするためにできることはある。
台風で折れた枝も、猛暑でしおれた葉も、長雨で割れてしまったトマトも、今では家庭菜園の大切な経験だ。天候に振り回されながらも、その年ごとの条件に合わせて工夫する。それもまた、家庭菜園の難しさであり、おもしろさなのだと思う。


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